根切り・山留めとは?親杭横矢板・オープンカットの違いと施工の流れを図解でやさしく解説

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根切り・山留めとは?親杭横矢板・オープンカットの違いと施工の流れを図解でやさしく解説

ずかんカード

項目内容
用語根切り(ねぎり)・山留め(やまどめ)
英語Excavation / Earth Retaining
ひとことで根切り=基礎をつくるために地面を掘ること。山留め=掘った穴のまわりの土が崩れないように押さえること
関連用語床付け/親杭横矢板/オープンカット/釜場
よく聞く度★★★★★

この記事の要点

  • 根切りは「基礎をつくるために掘る」こと、山留めは「掘ったまわりの土が崩れないようにする」こと
  • 山留めは、掘る深さ・地下水・地盤のかたさ・敷地の余裕で選ぶ
  • 根切りでは、床付け面を乱さないことと、残土の数量をしっかり記録することが大切
ルーキー

根切りって、木の根っこを切るんですか?

かぐや監督

ははは、よく聞かれるよ。
建物の「根」になる基礎をつくるために、地面を掘ることなんだ。

「根切りと山留めって何?」「山留めにはどんな種類があるの?」と思っていませんか。

この記事では、建築の施工管理10年目の私が、根切り・山留めの意味と種類、施工の流れ、施工管理として確認していることを、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。

この記事でわかること

  • 根切り・山留めの意味と、各部の名前
  • 山留めの種類と選び方
  • 根切りの流れと、床付けで気をつけること
  • 点検のポイントと、施工管理が確認していること
目次

根切り・山留めとは?

根切り(ねぎり)とは、建物の基礎や地下部分をつくるために、地面を掘ることです。

山留め(やまどめ)とは、掘った穴のまわりの土が崩れてこないように押さえることや、そのためにつくる壁などのことです。法律(労働安全衛生規則)では「土止め(どどめ)支保工」と呼ばれています。

山留め壁・腹起し・切梁・根切り底・床付け面・釜場・捨てコンクリートなど、根切り・山留めの各部の名前を示した断面図
名前意味
山留め壁掘った穴のまわりの土を押さえる壁
腹起し(はらおこし)山留め壁にそって横に入れる部材。土の力を受け止める
切梁(きりばり)向かい合う腹起しのあいだに渡す、つっぱり棒のような部材
根切り底掘った穴の底
床付け(とこづけ)根切り底を、決められた高さに平らに仕上げること。仕上げた面を床付け面と呼ぶ
釜場(かまば)根切り底のすみに掘る、水をためてポンプでくみ出すための小さな穴
捨てコンクリート床付け面の上に薄く打つコンクリート。墨出しの下地になる

山留めの種類

山留めには、いくつかの種類があります。

オープンカット・親杭横矢板・簡易山留め・シートパイル・ソイルセメント柱列壁の特徴を比べた図解

オープンカット(法面〈のりめん〉掘削)

山留めの壁をつくらずに、まわりの土を斜め(法面)に掘る方法です。山留めの材料がいらないぶん、費用をおさえられますが、斜めに掘るための敷地の余裕が必要です。

私がこれまで担当した現場は、オープンカットで根切りをしてきました。

親杭横矢板(おやぐいよこやいた)

H形鋼の杭(親杭)を一定の間隔で打ち込み、掘りながら、杭と杭のあいだに木の板(横矢板)をはめていく山留めです。費用が比較的安く、よく使われますが、板のすき間から水が通るので、地下水が多い場所には向きません。

今の現場では、親杭横矢板を使います。

簡易山留め

浅い根切りで使う、簡易的な山留めです。私の現場では、単管(鉄パイプ)+合板+ブルーシートで、土が崩れてこないように押さえたことがあります。

シートパイル(鋼矢板)

かみ合わせのついた鉄の板を、連続して打ち込む山留めです。すき間がないので、水を通しにくい(止水性がある)のが特長です。

ソイルセメント柱列壁(SMW)

土とセメントをまぜた柱を連続してつくり、その中に芯材(H形鋼)を入れる山留めです。水を通しにくく、強いので、深い根切りや、地下水が多い場所で使われます。

山留めの選び方

山留めの種類は、次のことを基準に選びます。

  • 掘る深さ
  • 地下水の多さ
  • 地盤のかたさ
  • 敷地の余裕(斜めに掘るスペースがあるか)
ルーキー

敷地が広ければ、山留めなしで掘れるんですね!

かぐや監督

そうなんだ。
逆に、となりの建物や道路が近いと斜めに掘れないから、山留めが必要になるんだよ。

根切りの流れ

親杭横矢板で山留めをする場合の、一般的な流れは次のとおりです。

事前調査、親杭打ち、一次掘削、腹起し・切梁の設置、二次掘削、床付け、捨てコンクリートと進む根切りの流れ
  • ①事前調査:地中の管やケーブル(埋設物)の位置を確認する
  • ②親杭を打つ
  • ③一次掘削:横矢板をはめながら、途中の深さまで掘る
  • ④腹起し・切梁を取り付ける
  • ⑤二次掘削:横矢板をはめながら、根切り底近くまで掘る
  • ⑥床付け:決められた高さに平らに仕上げる
  • ⑦捨てコンクリートを打つ

ずかんメモ:掘削の回数や、切梁を入れる段数は、掘る深さや山留めの計画によって変わります。

床付けで気をつけていること

床付けは、建物の基礎を支える面をつくる、大切な作業です。私は次のことに気をつけています。

  • 床付け面を乱さない:重機のバケットでかき回したり、人が踏み荒らしたりすると、地盤が弱くなる
  • 排水計画を行う:雨水や湧水がたまらないように、釜場をつくってポンプでくみ出す
  • 地盤の高さ確認・検査:床付け面が決められた高さになっているかを確認し、検査を受ける

根切り・山留めの点検

いつ・だれが点検する?

私の現場では、地山(じやま)の掘削及び土止め支保工作業主任者が、毎朝と、大雨や強い地震のあとに点検しています。

労働安全衛生規則では、次のように決められています。

対象点検のタイミング
掘削する場所とそのまわりの地面その日の作業を始める前、大雨のあと、中震以上の地震のあと
山留め(土止め支保工)7日をこえない期間ごと、中震以上の地震のあと、大雨などで地盤が急に弱くなるおそれがあるとき

ずかんメモ:掘削面の高さが2m以上になる掘削や、切梁・腹起しの取り付け・取り外しの作業では、技能講習を修了した作業主任者を選ぶことが決められています。

点検で見ているポイント

山留め壁のふくらみ・傾き、切梁のゆるみ、まわりの地面のひび割れ、水が出ていないか、法面の侵食など、点検で確認するポイント
  • 山留め壁がふくらんだり、傾いたりしていないか
  • 切梁がゆるんでいないか
  • まわりの地面にひび割れがないか
  • 山留め壁や根切り底から水が出ていないか
  • (オープンカットの場合)法面が雨で削られて(侵食されて)いないか
ルーキー

地面のひび割れまで見るんですか…!

かぐや監督

そうなんだ。
まわりの地面のひび割れは、山留めが土に押されて動いているサインかもしれない。
早めに気づくことが大事なんだよ。

施工管理として確認していること

埋設物の確認

掘る前に、地中にある配管やケーブル(埋設物)の位置を確認します。私の現場では、事前に配管経路図をもらって確認しています。

残土の搬出量

掘った土(残土)をダンプで運び出すときは、ダンプの台数と、1台に積んでいる量(㎥)を確認します。

道路を汚さない

残土を運び出すときは、ダンプのタイヤについた土で、道路が汚れやすくなります。

私は、場内の敷鉄板の上を常にきれいにすることを心がけています。そうすると、ダンプが道路に出るときに土を持ち出しにくくなり、道路が汚れにくくなります。

近隣への配慮・立入禁止

重機の騒音や振動、土ぼこりなど、近隣への配慮を行います。また、重機が動く範囲には立入禁止の表示をします。

湧水の排水

根切り底に水がたまらないように、釜場をつくって、ポンプで排水します。

新人が覚えておくとよいこと

残土の搬出数量は、しっかり記録する

新人のうちにぜひ覚えてほしいのが、残土の搬出数量をしっかり記録することです。

残土の数量が、見積もりのときに計算した数量(積算数量)と違ってくると、お金の問題になります。私の経験では、積算数量より少なければ減額になり、多ければ土工事屋さんの損になってしまいます。

毎日、ダンプの台数と、1台あたりの量を記録しておきましょう。

ずかんメモ:掘った土は、ほぐれてかさが増えます。どれくらい増えるかは、土の種類によって変わります。

混同しやすい用語

用語意味ちがいのポイント
根切り基礎をつくるために地面を掘ること建築でよく使う呼び方
掘削(くっさく)地面を掘ること全般根切りより広い意味
山留め掘ったまわりの土が崩れないようにすること現場でよく使う呼び方
土止め支保工山留めのための部材の組み合わせ法律での呼び方
根切り底掘った穴の底掘った結果の「底」
床付け面根切り底を、決められた高さに平らに仕上げた面基礎を支える仕上がった面
埋戻し基礎ができたあと、まわりに土を戻すこと根切りの反対の作業

まとめ

  • 根切りは基礎をつくるために掘ること、山留めは掘ったまわりの土が崩れないようにすること
  • 山留めには、オープンカット・親杭横矢板・簡易山留め・シートパイル・SMWなどがある
  • 山留めは、掘る深さ・地下水・地盤のかたさ・敷地の余裕で選ぶ
  • 床付けでは、床付け面を乱さない・排水計画・高さの確認と検査が大切
  • 点検は、作業主任者が毎朝と、大雨・地震のあとに行う
  • 残土の搬出数量は、お金にかかわるのでしっかり記録する

根切り・山留めは、建物の「根っこ」をつくる最初の大きな工事です。安全に、そして正確に進めることが、その後の工事すべてにつながります。

理解度チェック

Q1. 基礎をつくるために地面を掘ることを、何と呼ぶ?

答え:根切り(ねぎり)です。

Q2. H形鋼の杭を打ち、そのあいだに木の板をはめていく山留めは?

答え:親杭横矢板(おやぐいよこやいた)です。

Q3. 根切り底のすみに掘る、水をためてポンプでくみ出すための小さな穴を何と呼ぶ?

答え:釜場(かまば)です。

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