ずかんカード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | 養生(ようじょう) |
| 英語 | Protection(仕上げの養生)/Curing(コンクリートの養生) |
| ひとことで | 仕上がった部分や材料、打ったコンクリート、人の安全を「守る」こと |
| 関連用語 | プラベニヤ/養生マット/散水養生/開口部養生 |
| よく聞く度 | ★★★★★ |
この記事の要点
- 現場の「養生」には、仕上げや材料を守る養生と、コンクリートの養生、安全のための養生がある
- 仕上げの養生は、養生が外れていないかを毎日確認することが大切
- 安全のための養生は、転落災害を防ぐための大事なもの。表示を必ず行う
ルーキー「養生してね」って言われたんですけど、ゆっくり休むことですか?



ははは、体の養生とはちょっと違うんだ。
現場では「守る」という意味で使うんだよ。
「養生って何をすればいいの?」「コンクリートの養生と、床の養生は何が違うの?」と思っていませんか。
この記事では、建築の施工管理10年目の私が、現場でよく使う3つの「養生」の意味と方法、施工管理として確認していることを、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。
この記事でわかること
- 現場で使う「養生」の3つの意味
- 仕上げや材料を守る養生の方法と材料
- コンクリートの養生と、夏・冬に気をつけること
- 安全のための養生と、施工管理が確認していること
養生とは?
養生(ようじょう)とは、現場では何かを「守る」ことを意味します。守るものによって、大きく3つに分けられます。


| 種類 | 何を守る? | 主な方法 |
|---|---|---|
| 仕上げや材料の養生 | 仕上がった床・サッシ・建具など | プラベニヤや養生マットで覆う |
| コンクリートの養生 | 打ったコンクリート | 散水、保温、乾燥や凍結から守る |
| 安全のための養生 | 人(墜落・転落の防止) | 開口部にふたをする、表示をする |
仕上げや材料を守る養生
工事が進むと、仕上がった部分の上や近くで、ほかの作業が続きます。そのときに傷や汚れがつかないように覆っておくのが、仕上げや材料の養生です。
よく養生するもの
私の現場で、よく養生するのは次のものです。
- エレベーター(かごの中の壁や床、乗り場の枠)
- サッシ
- 建具(ドアや枠)
- 仕上がった床
よく使う養生の材料


| 材料 | 特徴・使う場所 |
|---|---|
| プラベニヤ | プラスチックの薄い板。床や壁、エレベーターの中などを覆う |
| ブルー養生マット | 青いクッション性のあるマット。仕上がった床を守る |
| ブルーシート | 広い範囲を、汚れやほこりから守る |
| 枠養生材 | サッシや建具の枠にかぶせる、専用の養生材 |
| 養生テープ | 手で切れて、はがしやすいテープ。養生材の固定に使う |
ずかんメモ:養生テープは、長いあいだ貼ったままにすると、はがすときにのりが残ることがあります。貼る場所や期間に気をつけましょう。
失敗談:養生が外れて、サッシに傷がついていた
以前、サッシの養生が外れてしまい、いつの間にかサッシに傷がついていたことがあります。
養生は、ほかの作業で引っかけたり、テープがはがれたりして、気づかないうちに外れてしまうことがあります。一度つけた傷は、元に戻すのが大変です。



養生をしていても、安心できないんですね…。



そうなんだ。
だから、養生が外れていないかを毎日見て回ることが大事なんだよ。
コンクリートの養生
打ったコンクリートは、すぐに強くなるわけではありません。セメントと水が反応して、少しずつ固まり、強くなっていきます。
コンクリートの養生とは、コンクリートがきちんと強くなるように、乾燥や寒さなどから守ることです。
打設の準備や当日の流れについては、コンクリート打設とは?の記事でくわしく解説しています。


夏:急激な乾燥に注意
夏は気温が高く、コンクリートの水分が急に乾いてしまうおそれがあります。水分が足りなくなると、きちんと強くならなかったり、ひび割れの原因になったりします。
私の現場では、散水(コンクリートの表面に水をまく)をして、乾燥を防いでいます。
冬:凍結に注意
冬は、コンクリートの中の水分が凍ってしまうおそれがあります。固まる前に凍ると、コンクリートが傷んでしまいます。
私の現場では、冬はコンクリート養生マットで覆ったり、ジェットヒーターを焚いたりして、温度を保っています。
ずかんメモ:ジェットヒーターを使うときは、換気と火の元に注意します。シートで囲った場所では、空気が入れかわりにくくなるためです。
養生の期間や温度の決まり
養生の期間や、保つべき温度は、標準仕様書などの決まりに従います。セメントの種類や気温などによって変わるので、工事の仕様書で確認しましょう。



コンクリートって、打ったら終わりじゃないんですね!



そうなんだ。
打ったあとの養生まで含めて、いいコンクリートになるんだよ。
安全のための養生
床にあいた穴(開口部)や、地下のピットの入り口などに、人が落ちないようにするのも「養生」です。


開口部のふたは、ズレないように
開口部は、板でふたをして養生します。私の現場では、ふたの裏に桟木(さんぎ)でズレ止めをつけて、ふたが動かないようにしています。
さらに、ふたの上には「開口部注意」の表示をします。ふたの下に穴があることを、だれが見てもわかるようにするためです。
ピットに入るときは、マンホール屏風を使う
地下のピットに入るときは、マンホール屏風(びょうぶ)を使います。マンホールのまわりを囲う、屏風のような形の柵で、ふたを開けているあいだに、まわりの人が落ちないようにするためのものです。
ずかんメモ:ピットの中は、空気が入れかわりにくい場所です。入る前の確認やルールは、現場の決まりに従いましょう。
施工管理として確認していること
養生の種類ごとに、次のことを確認しています。
| 養生の種類 | 確認していること |
|---|---|
| 仕上げや材料の養生 | 養生が外れていないか |
| コンクリートの養生 | 養生する範囲を決める |
| 安全のための養生 | 「開口部注意」などの表示がされているか |
新人が覚えておくとよいこと
安全のための養生は、表示を必ず行う
新人のうちにぜひ覚えてほしいのが、安全のための養生は、転落災害を防ぐための大事なものだということです。
ふたをしただけでは、ほかの人がふたをずらしたり、上に物を置いたりすることがあります。「開口部注意」の表示は、必ず行いましょう。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 | ちがいのポイント |
|---|---|---|
| 養生(仕上げ) | 仕上がった部分や材料を、傷や汚れから守ること | 守るのは「もの」 |
| 養生(コンクリート) | 打ったコンクリートが強くなるように守ること | 守るのは「コンクリートの強さ」 |
| 養生(安全) | 開口部などから人が落ちないようにすること | 守るのは「人」 |
| 散水養生 | コンクリートに水をまいて、乾燥を防ぐこと | 夏に特に大切 |
| 保温養生 | マットやヒーターで、コンクリートを寒さから守ること | 冬に特に大切 |
まとめ
- 現場の「養生」は、何かを「守る」こと。仕上げ・コンクリート・安全の3つがある
- 仕上げの養生は、プラベニヤ・養生マット・枠養生材などで覆い、外れていないかを毎日確認する
- コンクリートの養生は、夏は乾燥、冬は凍結に注意する
- 安全のための養生は、ふたのズレ止めと「開口部注意」の表示を必ず行う
養生は、目立たないけれど、建物の品質と、現場で働く人の安全を守る大切な仕事です。「守る」意識を持って、毎日見て回りましょう。
理解度チェック
Q1. 現場で使う「養生」は、どんな意味?
答え:何かを「守る」ことです。仕上げ・コンクリート・安全のための養生があります。
Q2. 夏のコンクリートの養生で、特に気をつけることは?
答え:急激な乾燥です。散水をして防ぎます。
Q3. 開口部のふたの上に、必ず行うことは?
答え:「開口部注意」の表示です。






コメント