ずかんカード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | 施工計画書(せこうけいかくしょ) |
| 英語 | Construction Plan |
| ひとことで | 「この工事を、どんな方法で、どんな品質管理をしながら進めるか」をまとめて、監理者に示す書類 |
| 関連用語 | 総合施工計画書/工種別施工計画書/施工要領書/作業手順書/監理者 |
| よく聞く度 | ★★★★★ |
この記事の要点
- 施工計画書は、監督が作って、監理者に提出し、承認をもらう書類
- 書くのは、工事概要・施工体制・工程・使用機械・使用材料・施工方法・施工順序・品質管理・安全管理など
- 大切なのは、その現場に合った内容にすること。承認まで時間がかかるので、余裕をもって作る
ルーキー施工計画書って、分厚い書類ですよね。
何のために作るんですか?



「この工事を、こういう方法と品質管理で進めます」と、監理者に示して承認をもらうためなんだ。
承認がないと、工事を始められないんだよ。
「施工計画書って何を書けばいいの?」「施工要領書とは何がちがうの?」と思っていませんか。
この記事では、建築の施工管理10年目の私が、施工計画書に書く項目、作ってから承認をもらうまでの流れ、施工要領書・作業手順書とのちがい、作るときに気をつけていることを、図解でやさしく解説します。
この記事でわかること
- 施工計画書とは何か(総合施工計画書と工種別施工計画書)
- 施工計画書・施工要領書・作業手順書のちがい
- 施工計画書に書く項目
- 作ってから承認をもらうまでの流れ
施工計画書とは?
施工計画書とは、「この工事を、どんな方法で、どんな品質管理をしながら進めるか」をまとめた書類です。
元請の監督が作り、監理者(工事が設計図どおりに進んでいるかを確認する人)に提出して、承認をもらいます。
ずかんメモ:公共建築工事標準仕様書では、施工計画書は工事の施工に先立って作成して提出し、品質計画にかかわる部分は承諾を受けることになっています。公共工事では「監督職員」、民間工事では「監理者」に提出するのが一般的です。
総合施工計画書と工種別施工計画書
施工計画書には、大きく分けて2つあります。


| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 総合施工計画書 | 工事全体の計画をまとめたもの。工事の最初に作る |
| 工種別施工計画書 | 鉄筋工事、コンクリート工事など、工事ごとにくわしく作るもの |
私がよく作るのは、総合施工計画書と、鉄筋工事・コンクリート工事・鉄骨工事・防水工事・塗装工事・金属工事(LGS)の施工計画書です。
防水工事の施工計画書で気をつけていることは、防水工事とは?の記事で解説しています。
施工計画書・施工要領書・作業手順書のちがい
現場には、似た名前の書類がいくつかあります。私の現場では、次のように使い分けています。


| 書類 | だれが作る | だれに示す | 目的 |
|---|---|---|---|
| 施工計画書 | 元請の監督 | 監理者 | 品質管理の方法を示す |
| 施工要領書 | 下請の業者さん | 元請の監督 | 「こんな方法で施工したい」と工法を示す |
| 作業手順書 | 作業する業者さん | 作業する人たち | 作業の手順と危険を確認する(作業計画書とも呼ぶ) |
施工手順など、くわしく確認したいことがあるときは、業者さんに施工要領書を作って提出してもらっています。
ずかんメモ:作業手順書は、KY活動(危険予知)とも関係が深い書類です。KY活動については、KY活動とは?の記事でくわしく解説しています。



名前が似ていて、まちがえそうです!



「だれが、だれに示すか」で覚えるとわかりやすいよ。
施工計画書は、監督から監理者へ、だね。
施工計画書に書く項目
私の現場では、施工計画書に次の項目を書いています。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事概要 | 工事名、場所、建物の規模・構造など |
| 施工体制 | 元請・下請の体制、責任者 |
| 工程 | いつ、どの工事を行うか |
| 使用機械 | クレーンやポンプ車など、使う機械 |
| 使用材料 | 使う材料の種類や規格 |
| 施工方法 | どんな方法で施工するか |
| 施工順序 | どんな順番で施工するか |
| 品質管理 | 何を、いつ、どうやって確認するか |
| 安全管理 | 事故を防ぐための対策 |
その現場に合った内容にする
施工計画書を作るときに、私がいちばん気をつけているのは、その現場に合った内容にすることです。
現場には、それぞれ特有の条件があります。たとえば、次のようなことです。
- 搬入できる時間(周りの道路や近所の事情で、時間が決まっていることがある)
- 搬入経路(トラックがどこから入れるか)
- 施工条件(敷地のせまさ、まわりの建物など)
こうした条件を、計画書にしっかり盛り込みます。ほかの現場の計画書をそのまま写すだけでは、現場で使えない計画書になってしまいます。
作ってから承認をもらうまでの流れ


① 参考にする資料を集める
私は、次の資料を参考にして作っています。
- 過去の現場や、ほかの現場の計画書
- 公共建築工事標準仕様書
- 設計図(特記仕様書を含む)
- 積算数量(材料などの数量)
- メーカーの資料
② 作成して、監理者に提出する
集めた資料をもとに、その現場に合った計画書を作り、監理者に提出します。
③ 指摘を受けて、修正する
監理者から指摘があれば、修正して、もう一度提出します。
④ 承認をもらう
私は、工事が始まる1か月前には承認をもらうようにしています。



提出してすぐに承認、とはいかないんですね…。



そうなんだ。
指摘と修正をくり返すこともあるから、時間がかかる。
だから、早めに作り始めることが大事なんだよ。
施工計画書を作っておいてよかったこと
施工計画書があると、後輩にも品質管理の基準を示せるので、情報を共有しやすいのが大きな利点です。
「この工事では、何を、どうやって確認するのか」が書いてあるので、自分がいないときでも、ほかの人が同じ基準で確認できます。
ずかんメモ:私は、現場と標準仕様書を見ながら施工計画書を作っているうちに、施工管理技士の試験の内容がよくわかるようになりました。試験については、1級建築施工管理技士とは?の記事でくわしく解説しています。
新人に伝えたいこと
期間に余裕をもって作ろう
施工計画書は、工事が始まる前に、作成・修正・承認までもらわないと、工事ができません。
指摘と修正には時間がかかるので、期間に余裕をもって作り始めましょう。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 | ちがいのポイント |
|---|---|---|
| 総合施工計画書 | 工事全体の計画をまとめた施工計画書 | 工事の最初に作る |
| 工種別施工計画書 | 工事ごとにくわしく作る施工計画書 | 鉄筋、コンクリートなど工事ごと |
| 施工要領書 | 下請の業者さんが、施工方法を元請の監督に示す書類 | 業者さん → 監督 |
| 作業手順書 | 作業の手順と危険を確認する書類 | 作業する人のための書類。作業計画書とも呼ぶ |
| 監理者 | 工事が設計図どおりに進んでいるかを確認する人 | 施工計画書の提出先(公共工事では監督職員) |
まとめ
- 施工計画書は、工事の方法と品質管理をまとめて、監理者に示す書類
- 総合施工計画書と、工事ごとの工種別施工計画書がある
- 施工要領書は業者さんから監督へ、作業手順書は作業する人のための書類
- 書く項目は、工事概要・施工体制・工程・使用機械・使用材料・施工方法・施工順序・品質管理・安全管理
- その現場に合った内容にして、工事の1か月前には承認をもらう
施工計画書は、工事をスムーズに、そして同じ品質で進めるための「設計図」のような書類です。現場に合った計画書を、余裕をもって作っていきましょう。
理解度チェック
Q1. 施工計画書は、だれに提出して承認をもらう?
答え:監理者です(公共工事では監督職員)。
Q2. 下請の業者さんが、「こんな方法で施工したい」と監督に示す書類は?
答え:施工要領書です。
Q3. 施工計画書を作るときに、いちばん大切なことは?
答え:その現場に合った内容にすることです(搬入時間・経路・施工条件などを盛り込む)。






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