ずかんカード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | KY活動(ケーワイかつどう) |
| 英語 | Hazard Prediction Activity |
| ひとことで | 作業の前に、その日の作業にひそむ危険をみんなで話し合い、対策を決める活動 |
| 関連用語 | KYシート/指差し呼称/4ラウンド法 |
| よく聞く度 | ★★★★★ |
この記事の要点
- KY活動は、「K(危険)」を「Y(予知)」する活動。作業の前に危険と対策を話し合う
- 職長さんが中心になって、業者ごとに、作業場所で行う
- 形だけにしないために、現地で対策が守られているかを確認することが大切
ルーキーKYって、「空気が読めない」のことじゃないんですか?



ははは、現場では「危険予知」のことなんだ。
現場の安全を守る、毎朝の大事な活動だよ。
「KY活動って何をするの?」「KYシートには何を書けばいいの?」と思っていませんか。
この記事では、建築の施工管理10年目の私が、KY活動の意味と朝礼での進め方、KYシートの書き方を、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。
この記事でわかること
- KY活動の意味と目的
- 朝礼からKY活動までの流れ
- KYシートの書き方
- 現場でよく挙がる危険と、施工管理が確認していること
KY活動とは?
KY活動とは、「危険(Kiken)」の「K」と、「予知(Yochi)」の「Y」をとった言葉で、作業を始める前に、その日の作業にひそむ危険をみんなで考え、対策を決める活動です。
建設業の死亡事故で特に多いのが、高い所からの墜落・転落です。こうした事故は、「ここは危ない」と前もって気づいて対策をしておけば、防げるものがたくさんあります。KY活動は、そのための毎日の習慣です。
朝礼からKY活動までの流れ
私の現場では、毎朝次の流れで進めます。


- ①職長さんがKY用紙を記入する
- ②ラジオ体操
- ③全体朝礼(現場全体の作業内容や注意事項を共有)
- ④業者ごとのKY(職長さんが中心に、作業場所で)
- ⑤指差し呼称(目標や確認項目を指でさし、声に出して「ヨシ!」と確認する)
KY活動は、職長さんが中心になって、業者ごとに、実際の作業場所で行います。作業場所で話し合うことで、その場所ならではの危険に気づきやすくなります。
KYシート(KY用紙)の書き方
KYシートには、次のことを書きます。


| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 今日の作業内容 | その日に行う作業 |
| 作業場所 | 作業を行う場所(階・通り芯など) |
| 危険のポイント | 作業にひそむ危険 |
| 対策 | 危険を防ぐために、具体的に何をするか |
| 目標 | 今日の安全目標(指差し呼称で唱える) |
| 参加者のサイン | KYに参加した全員のサイン |
ずかんメモ:危険のポイントは、「〜なので、〜して、〜になる」の形で書くと、具体的になります。たとえば「開口部の近くで型枠材を運ぶので、足を踏み外して、下の階へ転落する」のように書きます。
KYの基本「4ラウンド法」
危険予知の考え方の基本に、「4ラウンド法」という4つの手順があります。


- 第1ラウンド:どんな危険がひそんでいるかを出し合う
- 第2ラウンド:その中から、特に危ないポイントをしぼる
- 第3ラウンド:自分ならどうするか、対策を出し合う
- 第4ラウンド:みんなでやることを決めて、目標にする
毎朝のKY活動も、この流れを短くしたものと考えるとわかりやすいです。
現場でよく挙がる危険と対策
KYでよく挙がる危険は、次のようなものです。


| 危険 | 対策の例 |
|---|---|
| 高所作業での墜落 | 手すりや作業床を確保する。墜落制止用器具(安全帯)を使う |
| 重機との接触 | 立入禁止の表示をする。誘導員をつける |
| 開口部からの転落 | 開口部に養生や手すりをする |
| 歩行時のつまずき・転倒 | 通路の整理整頓をする。足元を確認する |
足場の手すりや作業床の決まり、点検のポイントについては、足場の種類と点検ポイントの記事でくわしく解説しています。
墜落制止用器具(フルハーネス・安全帯)の使い分けやフックのかけ方については、フルハーネスとは?の記事でくわしく解説しています。



歩いているだけでも、危険があるんですね!



そうなんだ。
現場には段差や資材がたくさんあるから、つまずきや転倒も立派な危険なんだよ。
施工管理としてKYで確認していること
施工管理として、次のことを確認・指示しています。
重機を使う業者には、立入禁止の表示を指示する
重機を使用する業者さんには、立入禁止の表示を行うように指示します。重機が動く範囲に人が入らないようにするためです。
クレーンや重機の作業は、事前打ち合わせ表で役割と資格をはっきりさせる
クレーンや重機を使用する業者さんには、事前打ち合わせ表を書いてもらいます。作業に携わる人の役割と、資格の有無をはっきりさせるためです。
クレーンの運転や、荷物をつり上げるための玉掛け(ワイヤーなどで荷物をフックにかける作業)には、資格が必要です。誰がどの役割を担い、必要な資格を持っているかを、作業の前に確認しておきます。
KY活動を形だけにしないために
KY活動は、毎日行うからこそ、形だけになってしまうおそれがあります。
それを防ぐために、私は次のことを大切にしています。
- 現地で、対策が守られているかを確認する:KYシートに書いた対策が、実際の作業場所で守られているかを見に行く
- 職長さんに責任感を持ってもらう:KY活動の中心は職長さん。職長さんに責任を持って、KYを行ってもらうことが大事



毎日同じような内容になっちゃいそうで、心配です…。



そこが落とし穴なんだ。
作業内容や場所は毎日変わるから、KYも毎日変わるはずなんだよ。
新人がKY活動に参加するときのコツ
いちばん大切なのは、その日の作業内容・作業場所に応じたKYをすることです。
作業内容や作業場所は、日によって変わります。昨日と同じKYシートを書き写すのではなく、「今日の作業」「今日の場所」ならではの危険を考えるクセをつけましょう。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 | ちがいのポイント |
|---|---|---|
| KY活動 | 作業前に危険と対策を話し合う、毎日の活動 | 現場で毎朝行う |
| KYT(危険予知訓練) | イラストなどを使って、危険に気づく力をきたえる訓練 | 練習としての「訓練」 |
| 指差し呼称 | 指でさし、声に出して「ヨシ!」と確認すること | 確認ミスを防ぐ |
| ヒヤリハット | 事故にはならなかったが、ヒヤリとしたりハッとしたりした出来事 | 事故の手前のサイン |
| 事前打ち合わせ表 | クレーンや重機の作業の前に、役割や資格を確認する書類 | 重機作業の安全確認 |
まとめ
- KY活動は、作業の前に危険と対策をみんなで話し合う、毎日の活動
- 職長さんがKY用紙を書き、業者ごとに作業場所で行い、指差し呼称で締める
- KYシートには、作業内容・場所・危険のポイント・対策・目標・サインを書く
- 重機作業は、立入禁止の表示と、事前打ち合わせ表での役割・資格の確認が大切
- 形だけにしないために、現地で対策が守られているかを確認する
全員が毎日無事に家に帰れることが、現場でいちばん大切なことです。KY活動は、そのための毎朝の第一歩です。
理解度チェック
Q1. KY活動の「K」と「Y」は、それぞれ何の頭文字?
答え:「K」は危険(Kiken)、「Y」は予知(Yochi)です。
Q2. 危険のポイントを具体的に書くコツは?
答え:「〜なので、〜して、〜になる」の形で書くことです。
Q3. クレーンや重機の作業の前に、事前打ち合わせ表で確認することは?
答え:作業に携わる人の役割と、資格の有無です。


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