コンクリート打設とは?準備・打つ順番・人の配置・締固めのコツを図解でやさしく解説

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コンクリート打設とは?準備・打つ順番・人の配置・締固めのコツを図解でやさしく解説

ずかんカード

項目内容
用語コンクリート打設(だせつ)
英語Concrete Placing
ひとことで組み上がった型枠の中に、生コンクリートを流し込んで、柱・壁・梁・床をつくる作業
関連用語締固め/打ち重ね/コールドジョイント/筒先
よく聞く度★★★★★

この記事の要点

  • コンクリート打設は、準備がどれだけできているかで、当日の成功が決まる
  • 打つ順番は、ポンプから遠い場所から。高い柱・壁は、何回かに分けて打つ
  • 締固めは、バイブレーターとたたき(木づち)で、すき間なくコンクリートを行きわたらせる
ルーキー

打設の日って、現場がすごくバタバタしていますよね…。

かぐや監督

そうなんだ。
たくさんの業者さんが一度に動く、現場の一大イベントなんだよ。
だからこそ、準備がいちばん大事なんだ。

「コンクリート打設の日は、何を準備すればいいの?」「当日はだれがどこにいるの?」と思っていませんか。

この記事では、建築の施工管理10年目の私が、コンクリート打設の準備、打つ順番、人の配置、締固めのコツを、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。

この記事でわかること

  • コンクリート打設の意味と、前日・当日の準備
  • 打つ順番と、当日の人の配置
  • 締固め・打ち重ねで気をつけること
  • 天気・季節ごとの注意点と、打設のあとにすること
目次

コンクリート打設とは?

コンクリート打設(だせつ)とは、組み上がった型枠の中に、生コンクリートを流し込む作業のことです。現場では「打設(だせつ)」や「コン打設」とも呼びます。

型枠を組み、配筋検査に合格したら、いよいよコンクリートを打ちます。

でくわしく解説しています。

打設の準備

コンクリート打設は、準備がどれだけできているかがとても大事です。

前日までに確認する出荷の連絡・打設開始時間・試験の有無・各業者への連絡・車両の配置・打ち込み物とレベル、当日に確認するポンプ車と生コン車の配置をまとめたチェックリスト

前日までに確認すること

確認すること内容
出荷の連絡生コン工場に、量・配合・時間を連絡する
打設開始時間何時から打ち始めるか
試験の有無受入検査や、強度試験用の試験体を取るか
各業者への連絡ポンプ屋・土間屋・左官屋・打設業者・電気屋・設備屋・警備に、日時と内容を伝える
車両の配置ポンプ車・生コン車をどこに置くか
打ち込み物・レベル打設する場所に、埋め込む金物やスリーブなどが入っているか。仕上がりの高さ(レベル)の目印があるか

当日の朝に確認すること

当日は、ポンプ車・生コン車を実際にセットしてみて、配置に問題がないかを確認します。図面の上では入れても、実際には車が回れない、ということもあるからです。

受入検査(スランプなどの試験)については、スランプとは?の記事でくわしく解説しています。

打つ順番

高さ2m程度まで、梁下まで、スラブ下まで、最後にスラブと4回に分けて打つ順番と、ポンプから遠い場所から打ち始めて足場の渡り口側を逃げ口に残す打設の順番を示した図解

高さの順番:何回かに分けて打つ

階の高さが5m程度の立ち上がりの躯体(柱・壁)では、次の順番で打っています。

  • ①高さ2mくらいまで
  • ②梁の下まで
  • ③スラブの下まで
  • ④スラブ(床)

一度に高く打ち上げると、コンクリートの重さで型枠に大きな力がかかり、型枠がはらんだり、パンクしたりするおそれがあります。何回かに分けて、少しずつ打ち上げていきます。

場所の順番:ポンプから遠い場所から

打設は、基本的にポンプから遠い場所から打っていきます。打ち終わった場所の上を、ホースや人が通らなくてすむからです。

スラブは、最後の逃げ口を確保しておきます。私の現場では、足場の渡り口がある場所を最後に残し、そこへ逃げるように打ち進めます。

ルーキー

打ち終わりで、自分の逃げ場がなくならないようにするんですね!

かぐや監督

そうなんだ。
打ったばかりのスラブには乗れないから、最後にどこから出るかを、先に決めておくのが大事なんだよ。

当日の人の配置

打設の日は、たくさんの業者さんが、それぞれの持ち場につきます。

ポンプの筒先とリモコン、バイブレーター、木づちでたたく人、型枠大工の見回り、試験屋、左官屋、電気・設備屋、警備員の、コンクリート打設当日の配置図
担当持ち場役割
ポンプ屋さん筒先(ホースの先)+その後ろにリモコンを持つ人コンクリートを流し込む
打設業者さん(バイブ)筒先のまわりバイブレーターで締め固める
打設業者さん(たたき)型枠の外側木づちで型枠をたたき、すき間をなくす
型枠大工さん型枠のまわり型枠のはらみ・ゆるみを見回る
試験屋さんポンプ車・生コン車の近く受入検査(スランプなどの試験)
左官屋さん・土間屋さんスラブの上スラブの表面を均す
電気屋さん・設備屋さん打設している場所配管や埋め込み物がずれていないか確認
警備員さん現場の出入口生コン車などの誘導

締固めで気をつけること

締固め(しめかため)とは、流し込んだコンクリートを振動させたり、たたいたりして、すき間なく型枠のすみずみまで行きわたらせることです。締固めが足りないと、じゃんか(砂利が出て、すき間ができた部分)の原因になります。

バイブレーターとたたきの注意点、打ち重ねの注意点、雨・暑い日・寒い日の対策をまとめた図解

バイブレーター

  • 差し込む間隔を守る
  • かけすぎない(かけすぎると、材料が分かれてしまう)
  • コンクリートを横流ししすぎない(バイブで横に流すと、材料が分かれやすい)
  • 型枠に当てない

たたき(木づち)

  • コンクリートが入っていない部分はたたかない
  • ムラなく全体をたたく
ルーキー

入っていないところをたたいても、意味がないんですね…。

かぐや監督

そうなんだ。
型枠をいためるだけになってしまう。
筒先の位置を見ながら、コンクリートが入ったところをしっかりたたくのがコツだよ。

打ち重ね・打ち継ぎで気をつけること

  • 打ち重ね時間を守る:前に打ったコンクリートの上に重ねて打つまでの時間には、建築工事標準仕様書で限度が決められています(下の表)。時間が空きすぎると、一体にならない継ぎ目(コールドジョイント)ができてしまいます
  • 一気に上げすぎない:型枠のパンクを防ぐ
  • 前回打った工区の打ち継ぎ部分を清掃する:表面のノロ(セメントと水がまざった液が固まったもの)などを落としてから打つ
外気温練混ぜから打込み終了までの時間打ち重ね時間
25℃未満120分以内150分以内
25℃以上90分以内120分以内

ずかんメモ:暑いときほど、コンクリートは早く固まり始めるので、時間の限度が短くなります。工場から現場までの運搬時間も含めて、計画しておきましょう。

天気・季節で気をつけること

天気・季節気をつけること
雨の日コンクリートに雨水が入らないように対策する。無理なら延期する
暑い日型枠が乾いているので、コンクリートの水分が吸われないように、散水してから打設する
寒い日採暖養生(ヒーターなどで温める)を行う

打設後の養生については、養生とは?の記事でくわしく解説しています。

打設のあとにすること

  • スラブの均し:トンボ・金ごて・プロペラ(機械ごて)で、表面を平らに仕上げる
  • 散水・養生
  • 片付け・清掃:打設道具や、ノロを片付ける

失敗談:土間の仕上がりは、職人さんの腕しだい

土間(床)の均し・押さえは、土間屋さんの腕によって仕上がりが変わります。仕上がりが悪いと、あとで水たまりができて、補修が必要になることもあります。

新人が覚えておくとよいこと

打設は「準備」がすべて

コンクリート打設は、準備がどれだけできているかがいちばん大事です。

現場の準備(打ち込み物・レベル・車両の配置)だけでなく、業者さんへの連絡も含めて準備です。当日になってからでは、取り返しがつかないことが多いので、前日までにひとつずつ確認しておきましょう。

混同しやすい用語

用語意味ちがいのポイント
打設型枠にコンクリートを流し込むこと作業そのもの
締固めコンクリートをすき間なく行きわたらせることバイブ・たたきで行う
打ち重ね前に打ったコンクリートの上に、続けて打つこと時間の限度がある
打ち継ぎ日をあけて、前の工区に続けて打つこと継ぎ目を清掃してから打つ
コールドジョイント打ち重ねの時間が空きすぎてできた継ぎ目一体にならず、弱点になる
じゃんか砂利が出て、すき間ができた部分締固め不足が原因

まとめ

  • コンクリート打設は、型枠に生コンクリートを流し込む作業
  • 前日までに、出荷・開始時間・試験・業者さんへの連絡・車両の配置・打ち込み物とレベルを確認する
  • 高さは、2m → 梁下 → スラブ下 → スラブと、何回かに分けて打つ。場所は、ポンプから遠い所から。スラブは逃げ口を残す
  • バイブレーターはかけすぎない・横流ししすぎない。たたきはムラなく
  • 打ち重ね時間(25℃未満は150分以内、25℃以上は120分以内)を守り、一気に上げすぎない

コンクリートは、一度打ったらやり直しがききません。しっかり準備をして、当日はみんなで力を合わせて打ち切りましょう。

理解度チェック

Q1. 打設は、ポンプから近い場所と遠い場所のどちらから打ち始める?

答え:遠い場所からです。打ち終わった場所の上を、ホースや人が通らなくてすむからです。

Q2. 高い柱や壁を一気に打ち上げると、どんなおそれがある?

答え:コンクリートの重さで、型枠がはらんだり、パンクしたりするおそれがあります。

Q3. 打ち重ねの時間が空きすぎてできる、一体にならない継ぎ目を何と呼ぶ?

答え:コールドジョイントです。

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