ずかんカード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | 配筋検査(はいきんけんさ) |
| 英語 | Reinforcement Inspection |
| ひとことで | コンクリートを打つ前に、鉄筋が構造図のとおりに組まれているかを確かめる検査 |
| 関連用語 | かぶり厚さ/スペーサー/定着・継手/開口補強筋 |
| よく聞く度 | ★★★★★ |
この記事の要点
- 配筋検査は、コンクリートを打つ前に、鉄筋屋さん → 自社 → 監理者の順で行う
- 鉄筋だけでなく、ゴミ・型枠のよごれ・スペーサーの外れも確認する
- 配筋が終わってから直すのは大変。配筋している途中から、構造図と見比べて確認する
ルーキー配筋検査って、鉄筋の本数を数えるだけですか?



本数だけじゃないんだ。
太さ、間隔、かぶり厚さ、まわりのゴミまで、コンクリートを打つ前に全部確かめるんだよ。
「配筋検査では何を見ればいいの?」「検査の写真はどう撮ればいいの?」と思っていませんか。
この記事では、建築の施工管理10年目の私が、配筋検査の流れとチェックポイント、写真の撮り方を、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。
この記事でわかること
- 配筋検査の意味と、だれが・いつ行うか
- 検査の前に準備すること
- 配筋検査のチェックポイントと、よくある指摘
- 配筋写真の撮り方
配筋検査とは?
配筋検査とは、コンクリートを打つ前に、鉄筋が構造図のとおりに正しく組まれているかを確かめる検査です。
コンクリートを打ってしまうと、中の鉄筋は見えなくなり、あとから直すことはほとんどできません。そのため、打つ前の配筋検査は、建物の強さを守るとても大切な検査です。
配筋検査は、だれが・いつ行う?
検査の流れ
私の現場では、次の順番で検査を行います。


- ①鉄筋屋さんの自主検査
- ②自社の自主検査(施工管理が確認する)
- ③監理者の検査(工事監理者が確認する)
- ④現場によっては、デベロッパー(建物の発注者)の検査
検査に合格してから、コンクリートを打ちます。
検査のタイミング
配筋検査は、コンクリートを打つ前に、階ごと・工区ごと・部位ごとに行います。部位は、柱 → 梁 → 床の順で進めていきます。
検査の前に準備すること
検査をスムーズに進めるために、次のものを準備しておきます。
- 構造図:鉄筋の太さ・本数・間隔などが書かれた図面
- チェックシート:確認する項目をまとめた表
- 自主検査の記録:鉄筋屋さんと自社で確認した結果
- 立ち会い写真を撮る場所の用意:鉄筋マーカーとリボンで、写真を撮る場所に目印をつけておく
ずかんメモ:写真を撮る場所に目印をつけておくと、監理者の検査のときに、どこを撮るかで迷わず、検査がスムーズに進みます。
配筋検査のチェックポイント


鉄筋のチェックポイント
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 径(太さ)・本数 | 構造図のとおりの太さ・本数か |
| ピッチ(間隔) | 鉄筋と鉄筋の間隔が、構造図のとおりか |
| かぶり厚さ | スペーサーが正しい位置・数で入っているか |
| 定着・継手の長さ | 鉄筋の重ねる長さや、のみ込ませる長さが足りているか |
| 開口部まわりの補強筋 | 開口補強筋が入っているか |
| 結束 | 鉄筋がしっかり留まっているか |
| よごれ・さび | 鉄筋に、コンクリートとのくっつきを悪くする汚れがないか |
ずかんメモ:「定着(ていちゃく)」は、鉄筋の端を、柱や梁などの中にのみ込ませて抜けないようにすること。「継手(つぎて)」は、鉄筋と鉄筋をつなぐことです。必要な長さは、構造図や配筋標準図で確認します。
かぶり厚さについては、かぶり厚さとは?の記事でくわしく解説しています。
鉄筋のまわりも確認する
配筋検査では、鉄筋だけでなく、まわりの状態も確認します。
- ゴミが落ちていないか:型枠の中に、結束線の切れはしや木くずなどが落ちていないか
- 型枠がよごれていないか
- スペーサーが外れていないか:スペーサーは外れやすいので、検査の直前にも確認する
型枠の種類や、型枠で確認することについては、型枠とは?の記事でくわしく解説しています。



ゴミまで見るんですね!



そうなんだ。
ゴミがコンクリートの中に残ると、そこが弱い部分になってしまうからね。
径・本数は、配筋しているときに確認する
鉄筋の径や本数は、鉄筋屋さんが配筋しているときに確認するようにしています。配筋が終わってからまちがいが見つかると、組んだ鉄筋をばらして直すことになり、とても大変だからです。
開口補強は、コンクリートが回るように
開口部(設備の配管を通す穴など)のまわりには、開口補強筋を入れます。


補強筋を入れると、その部分の鉄筋が混み合います。鉄筋と鉄筋のすき間がせまくなりすぎると、コンクリートが回らず、すき間(空洞)ができる原因になります。私は、コンクリートが回るように、鉄筋の間隔に気をつけて確認しています。
よくある指摘
検査でよく見つかるのは、次のようなミスです。
| よくある指摘 | どうなる? |
|---|---|
| スペーサー不足 | かぶり厚さが確保できない |
| 開口補強の入れ忘れ | 開口部のまわりにひび割れが出やすくなる |
| ピッチのずれ | 鉄筋の間隔が広すぎたり、せますぎたりする |
| 定着長さの不足 | 鉄筋が抜けやすくなり、建物の強さが足りなくなる |



どれも、見落としたら大変そうです…。



そうなんだ。
だから、鉄筋屋さん・自社・監理者と、何回も確認するんだよ。
配筋検査で使う道具
- スケール:鉄筋の間隔や長さを測る
- チェックシート:確認した項目に印をつける
- 写真用の小黒板アプリ:スマホやタブレットで、黒板つきの工事写真を撮る
- 結束線とハッカー:配筋の乱れに気づいたら、その場で直す。ハッカーは、結束線をくるくると回して締める道具
配筋写真の撮り方
配筋検査の写真は、コンクリートを打ったあとでは二度と撮れない、大切な記録です。
工事写真の黒板の書き方や撮り方のコツは、工事写真とは?の記事でくわしく解説しています。


私は、次のことに気をつけて撮っています。
- 黒板をしっかり書く:どこの、何の写真かがわかるようにする
- 全景と近景を撮る:全体の様子と、細かい部分の両方を残す
- 主筋が全部写るように撮る:手前の主筋に、奥の主筋が隠れないように、撮る角度を工夫する
ずかんメモ:主筋(しゅきん)は、柱や梁の中で、建物の重さや力を受け持つ、いちばん大事な鉄筋です。本数を数えられるように撮ることが大切です。
現場でよく使う言葉:キャンテスラブ
キャンテスラブは、「キャンティレバースラブ」の略で、片側だけが支えられて、外に張り出した床のことです。バルコニーやひさしなどで使われます。
ずかんメモ:キャンテスラブは、ふつうの床とは力のかかり方がちがい、上側の鉄筋(上端筋)がとても大事です。上端筋が下がっていないか、しっかり確認しましょう。
新人が覚えておくとよいこと
構造図と見比べながら検査する
配筋検査は、構造図と、現場の配筋を見比べながら行いましょう。なんとなく見るのではなく、図面の数字と、目の前の鉄筋を一つずつ確かめることが大切です。
おかしいと思ったら、早めに先輩に聞く
配筋が終わってから直すのは大変です。鉄筋屋さんが配筋しているときに、本数やピッチがおかしいと思ったら、先輩に聞いて早めに対応しましょう。早く気づくほど、直す手間は小さくなります。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 | ちがいのポイント |
|---|---|---|
| 主筋 | 柱や梁の中で、力を受け持つ太い鉄筋 | 柱・梁の長さ方向に通る |
| 帯筋(フープ) | 柱の主筋のまわりに巻く鉄筋 | 柱に使う |
| あばら筋(スターラップ) | 梁の主筋のまわりに巻く鉄筋 | 梁に使う |
| 定着 | 鉄筋の端を、ほかの部材の中にのみ込ませること | 「抜けない」ための長さ |
| 継手 | 鉄筋と鉄筋をつなぐこと | 「つなぐ」ための長さ |
| 自主検査 | 施工する側が、自分たちで行う検査 | 鉄筋屋さん・自社が行う |
| 監理者検査 | 工事監理者が行う検査 | 設計図書のとおりかを確かめる |
まとめ
- 配筋検査は、コンクリートを打つ前に、鉄筋が構造図のとおりかを確かめる検査
- 鉄筋屋さん → 自社 → 監理者(現場によってデベロッパー)の順で、柱 → 梁 → 床と進める
- 鉄筋の径・本数・ピッチ・かぶり・定着・開口補強に加えて、ゴミ・型枠のよごれ・スペーサーの外れも確認する
- 写真は、黒板をしっかり書き、全景と近景、主筋が全部写るように撮る
- 配筋している途中から構造図と見比べて、おかしいと思ったら早めに対応する
配筋検査は、コンクリートで隠れてしまう「建物の骨組み」を確かめる、最後のチャンスです。一つずつ、ていねいに確かめていきましょう。
理解度チェック
Q1. 配筋検査は、コンクリートを打つ前と後のどちらに行う?
答え:コンクリートを打つ前です。打ったあとは、中の鉄筋が見えなくなるからです。
Q2. 配筋検査で、鉄筋以外に確認することは?
答え:ゴミが落ちていないか、型枠がよごれていないか、スペーサーが外れていないかです。
Q3. 配筋写真で、主筋を撮るときに気をつけることは?
答え:手前の主筋に奥の主筋が隠れないように、主筋が全部写るように撮ることです。






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