ずかんカード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語 | 型枠(かたわく) |
| 英語 | Formwork |
| ひとことで | コンクリートを流し込んで、柱・壁・梁・床の形をつくるための「型」 |
| 関連用語 | せき板/セパ/フォームタイ/Pコン/支保工 |
| よく聞く度 | ★★★★★ |
この記事の要点
- 型枠は、コンクリートを流し込んで、建物の形をつくるための「型」
- 型枠工事は、配筋と順番に組み合わせながら進めていく
- 型枠を外すときは、存置期間か圧縮強度を確認し、外したあとはコンクリートの状態も確認する
ルーキー型枠って、木の箱みたいなものですか?



そのとおり!
コンクリートは流し込むと固まるから、型枠で形を決めてあげるんだよ。
「型枠ってどうやって組むの?」「セパやフォームタイって何?」と思っていませんか。
この記事では、建築の施工管理10年目の私が、型枠の種類と部材の名前、工事の流れ、型枠を外すタイミングを、図解と現場の体験談をまじえてやさしく解説します。
この記事でわかること
- 型枠の意味と、部材の名前
- 型枠の種類
- 型枠工事の流れ
- 施工管理として確認していることと、解体のタイミング
型枠とは?
型枠(かたわく)とは、コンクリートを流し込んで、柱・壁・梁・床などの形をつくるための「型」のことです。
コンクリートは、固まるまではドロドロの状態です。型枠で囲っておき、その中にコンクリートを流し込んで固めることで、建物の骨組み(躯体)ができあがります。
型枠の部材の名前
型枠は、たくさんの部材を組み合わせてできています。壁の型枠を例に、主な部材の名前を見てみましょう。


| 名前 | 役割 |
|---|---|
| せき板 | コンクリートに直接ふれる板。コンパネやパネコートを使う |
| セパ(セパレーター) | 向かい合うせき板の間隔を保つ金物 |
| Pコン | セパの両端につけるプラスチックの部品。型枠を外したあとに取り外す |
| フォームタイ | セパの先にねじ込んで、型枠を締め付ける金物 |
| 端太(ばた) | せき板を外側から押さえる部材。単管(鉄のパイプ)などを使う |
| 桟木(さんぎ) | せき板の裏に取り付ける細い角材 |
| 敷桟(しきざん) | 床の上に置いて、型枠の足もとの位置を決める角材 |
| サポート(支保工) | 梁や床の型枠を下から支える柱 |
BセパとCセパ
セパには、主にBセパとCセパがあります。
| 種類 | 特徴 | 主に使う場所 |
|---|---|---|
| Bセパ | 両端にPコンがつく。型枠を外したあと、Pコンを取ってできた穴をモルタルで埋める | 打ちっ放しなど、コンクリートの表面がそのまま見える場所 |
| Cセパ | Pコンがつかない。型枠を外したあと、飛び出したセパの先を折り取る | 仕上げで隠れる場所や、土に埋まる場所 |
ずかんメモ:片側がBセパ、もう片側がCセパになっている「BCセパ」もあります。壁の内側と外側で仕上げがちがうときに使います。
型枠の種類


| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| コンパネ | コンクリート型枠用の合板。いちばん基本の型枠 |
| パネコート | 表面を塗装した合板。コンクリートの表面がきれいに仕上がる |
| デッキプレート | 床に使う鉄の板。下から支えるサポートを減らせる |
| 断熱型枠 | 断熱材がついた型枠。外したあとも、そのまま断熱材として残る |
| 本実(ほんざね)型枠 | 杉板などを使い、コンクリートの表面に木目を出す型枠。設計によって使う |
私の現場では、コンパネ・パネコート・デッキプレート(床)・断熱型枠を使っています。設計によっては、本実型枠を使うこともあります。
型枠工事の流れ
型枠工事は、鉄筋の工事(配筋)と順番に組み合わせながら進めていきます。私の現場では、次の流れです。


- ①墨出し
- ②柱の配筋
- ③柱・壁の型枠(片側)
- ④壁の配筋
- ⑤型枠返し(壁のもう片側の型枠を建てる)
- ⑥梁上げ(梁の型枠を組む)
- ⑦スラブ上げ(床の型枠を張る)
- ⑧梁の配筋
- ⑨梁落とし(組んだ梁の鉄筋を、梁の型枠の中に落とし込む)
- ⑩スラブ(床)の配筋
- ⑪壁の差し筋(上の階の壁の鉄筋を立ち上げておく)
- ⑫段差の型枠(床の高さが変わる部分の型枠)
- ⑬検査
- ⑭コンクリート打設
- ⑮型枠の解体



型枠と鉄筋が、交互に進むんですね!



そうなんだ。
壁は片側の型枠を建ててから鉄筋を組んで、最後にもう片側でふたをする。
順番を覚えると、工程表も読みやすくなるよ。
ずかんメモ:配筋検査については、配筋検査とは?の記事でくわしく解説しています。
施工管理として確認していること
型枠を組んでいるときに確認すること
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 寸法・通り・垂直 | 図面どおりの大きさで、まっすぐ、垂直に立っているか |
| 開口・スリーブの位置 | 窓などの開口や、配管を通す穴(スリーブ)の位置が正しいか |
| 締め付け・すき間 | 締め付けがしっかりしているか。型枠にすき間がないか(特に床と敷桟のすき間) |
| 支保工の間隔 | サポートが、決められた間隔で立っているか |
| 清掃 | 型枠の中に、木くずやゴミが残っていないか |
| かぶり厚さ | 鉄筋と型枠のあいだに、必要なすき間があるか |
ずかんメモ:床と敷桟のあいだにすき間があると、コンクリートを打ったときに、そこからノロ(セメントと水がまざった液)が漏れ出してしまいます。
かぶり厚さについては、かぶり厚さとは?の記事でくわしく解説しています。
コンクリートを打っているときに確認すること


コンクリートを打っているときは、型枠に大きな力がかかります。私は、次のことに気をつけて見ています。
- 型枠のはらみ:コンクリートの重さで、型枠が外側にふくらんでいないか
- 締め付け:フォームタイなどがゆるんでいないか
- サポートのゆるみ:床や梁を支えるサポートが、ゆるんだり傾いたりしていないか
- 筒先(つつさき)の位置:コンクリートを流し込むホースの先が、いまどこにあるか
- 通り:型枠がずれて、通りが曲がっていないか
ずかんメモ:筒先がある場所には、コンクリートがたくさん入り、型枠に大きな力がかかります。筒先の位置を追いかけて、その近くの型枠を重点的に見るのがコツです。
打設の準備や当日の流れについては、コンクリート打設とは?の記事でくわしく解説しています。
型枠を外すタイミング
型枠を外すことを、現場では「バラし」と呼びます。
型枠を外すタイミングは、標準仕様書の決まりのとおりに、存置期間(型枠を残しておく期間)か、コンクリートの圧縮強度を確認してから解体します。
失敗談:工区ごとに、解体してよい日がちがう
工事がいくつもの工区に分かれていて、毎日のようにコンクリートを打っていると、打ち継ぎ(どこまで、いつ打ったか)を確認しないまま、流れで型枠を解体してしまうことがあります。
工区ごとに打った日がちがうので、型枠を残しておく日数もちがいます。私は、どこまで解体してよいかを、職人さん全員に周知するようにしています。
また、打ちっ放し(コンクリートの表面がそのまま仕上げになる部分)では、バールでこじらないように周知しています。表面に傷がつくと、そのまま見えてしまうからです。



解体するだけなのに、そんなに気をつけることがあるんですね…。



そうなんだ。
早く外しすぎると、コンクリートが傷んだり、たわんだりしてしまうこともある。
「どこまで外していいか」を全員で共有することが大事なんだよ。
新人が覚えておくとよいこと
型枠を外したら、コンクリートの状態を順番に確認する
型枠を外したあとは、コンクリートの状態を、順番に確認していきましょう。
不具合があると、そのあとの工程に大きく影響します。たとえば、基礎でじゃんか(コンクリートに砂利が出て、すき間ができた部分)が見つかった場合、補修が終わるまで、埋め戻しができません。早く見つけるほど、工程への影響を小さくできます。
現場でよく使う言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| バラし | 型枠を外すこと(解体) |
| ノロ | セメントと水がまざった、どろどろの液 |
| はらむ | 型枠が、コンクリートの重さで外側にふくらむこと |
| パンク | 型枠がコンクリートの力にたえられず、こわれてコンクリートが漏れ出すこと |
| 目違い | せき板の継ぎ目に段差ができること。コンクリートの表面にも段差が残る |
| じゃんか | コンクリートに砂利が出て、すき間ができた部分 |
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 | ちがいのポイント |
|---|---|---|
| せき板 | コンクリートに直接ふれる板 | 型枠の「面」 |
| 端太 | せき板を外側から押さえる部材 | 型枠の「押さえ」 |
| 支保工 | 梁や床の型枠を下から支えるもの | 型枠の「支え」 |
| Bセパ | 両端にPコンがつくセパ | 打ちっ放しなど、表面が見える場所 |
| Cセパ | Pコンがつかないセパ | 仕上げで隠れる場所 |
| 存置期間 | 型枠を外さずに残しておく期間 | 標準仕様書で決められている |
まとめ
- 型枠は、コンクリートを流し込んで建物の形をつくるための「型」
- せき板・セパ・Pコン・フォームタイ・端太・桟木・サポートなどの部材でできている
- 型枠工事は、配筋と順番に組み合わせながら進める
- 打設中は、はらみ・締め付け・サポートのゆるみ・筒先の位置・通りを確認する
- 解体は、存置期間か圧縮強度を確認してから。工区ごとの解体範囲を職人さん全員に周知する
- 型枠を外したら、コンクリートの状態を順番に確認する
型枠は、コンクリートの形と仕上がりを決める、とても大切な工事です。組むとき・打つとき・外すとき、それぞれのポイントを押さえていきましょう。
理解度チェック
Q1. 向かい合うせき板の間隔を保つ金物を何と呼ぶ?
答え:セパ(セパレーター)です。
Q2. 打ちっ放しの壁など、コンクリートの表面が見える場所で使うセパは、BセパとCセパのどちら?
答え:Bセパです。両端にPコンがつき、外したあとの穴はモルタルで埋めます。
Q3. 型枠を外す前に確認することは?
答え:標準仕様書の決まりのとおり、存置期間か、コンクリートの圧縮強度を確認します。






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